このアルバムには次のような注目すべき特徴が2つあります。 ① 装丁が象嵌細工であること。 芝山細工は貝殻、貴石、牙、角、珊瑚や紫檀の素などを絵柄に嵌め込んで立体的に装飾効果を高める工芸手法の一つであり、草花,鳥獣,人物などを表して嵌入した高度な技術を駆使した作品明治期には海外で 大評判となり多様な製品が製作・輸出されました。 今日では牙,角を用いた製品の売買が制限されているので、これを多用した芝山細工の価格は高騰し、市場に出ることも少なくなっています。 ② 明治期のアルバム装丁は蒔絵が主体であり、象嵌細工は人物など絵柄の一部に使用されるのがほとんどです。 その理由は牙が高価なため、それを多用した芝山風のアルバムは価格が数倍、数十倍になるからです。購買者の外人は自分が選んだ数十枚の写真代にアルバム代が加わるので、美術品として高額な芝山装丁品は敬遠されたのです。 そういうわけで本品のように中央に本格的な芝山象嵌を嵌め込んだアルバムは、それだけでめったに無い豪華な工芸品として貴重な価値を持っています。
サイズ外寸 縦27×35×5㎝ 頁数9枚(18頁)裏表紙と表表紙の見返しに絵が2枚 象嵌細工の凹凸の差は5㎜程あり、立体的で深みがあります。
画像では実感出来にくいのが残念です。
これは明治前半期に作成された輸出用アルバムの最古の様式を示す作品で表紙は華麗な象嵌細工、内部は大小の窓枠を配置した絹地に手書きの背景が一枚一枚丁寧に描かれています。
世間で知られている古写真アルバムの大半は明治後半期に金兵衛、ファサーリ、スティルフリードその他が発行した蒔絵の表紙に厚手の台紙という単純な作りで、これが大量生産を可能にしたのですが、初期の作品は富裕な外国人の家庭用アルバムとして用いられることを目的として、一品一品外装も内装も非常に丁寧に手間と技術と時間をかけて制作された高級な芸術作品であり、当時でも上流階級向けの高価な商品だったのです。
この表紙は黒色の漆塗りに芝山細工の象嵌による鷹?が施されたものです。
象嵌細工は中国から伝わり国内でも様々な流派がありますが江戸時代末期に千葉の芝山仙蔵が創始した細工は、牙、角や紫檀の素地に螺鈿(らでん),珊瑚(さんご)などを薄肉に彫り,草花,鳥獣,人物などを表して嵌入した高度な技術を駆使した作品で、その華やかさと緻密さのゆえにヨーロッパで好評を得,幕末から明治期に輸出品として盛んに製作されましたが、写真アルバムの形をもった作品は非常に少なく、極めて貴重な存在です。
このアルバムには次のような注目すべき特徴が2つあります。
① 装丁が象嵌細工であること。
芝山細工は貝殻、貴石、牙、角、珊瑚や紫檀の素などを絵柄に嵌め込んで立体的に装飾効果を高める工芸手法の一つであり、草花,鳥獣,人物などを表して嵌入した高度な技術を駆使した作品明治期には海外で 大評判となり多様な製品が製作・輸出されました。
今日では牙,角を用いた製品の売買が制限されているので、これを多用した芝山細工の価格は高騰し、市場に出ることも少なくなっています。
② 明治期のアルバム装丁は蒔絵が主体であり、象嵌細工は人物など絵柄の一部に使用されるのがほとんどです。
その理由は牙が高価なため、それを多用した芝山風のアルバムは価格が数倍、数十倍になるからです。購買者の外人は自分が選んだ数十枚の写真代にアルバム代が加わるので、美術品として高額な芝山装丁品は敬遠されたのです。
そういうわけで本品のように中央に本格的な芝山象嵌を嵌め込んだアルバムは、それだけでめったに無い豪華な工芸品として貴重な価値を持っています。
コンディション 表紙と裏表紙は傷、背表紙は破損のため修理済み、象嵌細工の右端の鳥足に欠損があり、補修してあります。
製本はしっかりしています。
中は経年やけ、シミ、薄いくすみがあります。
百数十年前の作品です。経年劣化がありますことを予めご了承ください。
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